じょこまんま

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このブログには若いころの山の思い出を記事にしたことが何回かありましたが、今日は山の日だとか…今日を逃していつ書くのさ、ということで私が山登りにはまった上高地への入口のことを思い出しながら書くことにしました。


以前も書きましたが、山に惹かれたきっかけは、観光目的で出かけた上高地への旅が始まりでした。

観光だけで終わらず2年続けて、友人と上高地を起点に登山をして以来、山の虜になってしまいました。


田代池2 
田代池からの清流



そして冬以外の季節に幾度となく上高地を通って入る山、上高地を通って出る山などに登ったものです。


この上高地の出入口にあるトンネルが妙に記憶に残っているのです。


車で通れる上高地への唯一の出入口、釜トンネル略して釜トンは手掘りで出きた暗く湿った洞窟のようでした。おまけに道が狭いため交互通行で信号が赤だと上から降りて来る車を待たなくてはなりません。トンネル内の灯りがなく…車のライトを頼りに走る、そんなんだったと記憶しています。トンネルを抜けるとおどろおどろした空間と暗さから解放された感動的な景色が広がり、山歩きの始まりにワクワクしたものです。

決して気持ちよいとは言えないこのトンネルが忘れられないのは、美しい上高地の入口へのあまりのギャップが脳裏から離れなかったのです。



新田次郎氏の山岳小説「雪のチングルマ」にも釜トンネルの怪が描かれていて、あのトンネルを通ったことのある人なら背筋が寒くなるような内容だったと思います。

冬山遭難者の遺体の一時保管場所があったそうで、だからお化け話はいくらでもあったようです。

そんなことを想像しながら怖いもの見たさの好奇心から、バスの窓に顔をつけて暗いトンネルに目をこらしていた変な山ガールでした。


釜トンの手前に飛騨高山へ抜ける安房峠への分岐点があり、梓川の対岸に中の湯温泉という一軒宿がありました。ここを通るたびに車窓から見える崖上の露天風呂は名物だったようでいつか私も入ってみたいと思ったものです。混浴だったので中々チャンスがありませんでしたが…


8年ほど続けていた山登りでしたが、いつしか足も遠のくと山の情報が入ってくることもなくなり、釜トンのことは思い出すこともなくなりました。





大学の夏休みに帰省した娘を上高地へ連れて行きたいと思いプランを立てることにしました。昔はガイドブックでしか調べることができなかった情報をネットで簡単に調べることができるようになり便利になったものです。

忘れていた釜トンの記憶がよみがえってきます。ワクワクしました。


でも…あれ!なんか違う。ワクワクしない…


平成11年に台風の豪雨で上高地側の洞門が土砂崩れの災害に遭い70年以上使われてきた旧釜トンネルは現存するも、通行はできなくなっていました。

旧釜トンは梓川と並行に、かなり旧な登り坂(当然ながら帰りは下り坂ですが)でしたが、新しい釜トンネルは800メートルほど距離が延びて坂は緩やかに、トンネルの幅も3倍以上になって普通のトンネルになったわけです。


あの釜トンを通れないなんて…楽しみが半減した気分でした。


そしていつか入ってみたいと思っていた中の湯の崖上の露天風呂には念願叶って入ることができましたが、1995年に起きた安房トンネル工事が原因の水蒸気爆発で旅館は移転し、車窓から見えた露天風呂風景もなくなっていました。


初めて上高地へ入って40数年、昔の鮮明だった記憶が自然の力によって変わってしまったのは淋しい限りで、こんなセンチメンタルな気持ちになるのは年を重ねた証拠ですね。


旧釜トンは私を山へいざなった入口であり、北アルプス最後の登山を終えた私の後ろ姿を見送ってくれた出口でした。



親子3 
 
 
新しい釜トンネルを通って家族と上高地を観光した2009年の夏です。



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